今更な後発ソシャゲプラットフォームの生存戦略
■Fgの話、エンタースフィアの話
前回のこの記事がどうしょもない与太であったことをお詫び申し上げます。
何がダメかって立体物(フィギュア)専門SNS「Fg(http://www.fg-site.net)」が、今でこそ株式会社クロメアってとこの運営だけど、クロメアに事業譲渡される前はエンタースフィアが運営していたってのを僕が知らなかったということです……。
エンタースフィアは任天堂で「ピクミン」とかのエグいテキスト書いてた岡本基が独立して作った会社。
これ、2chのゲハ板とかでは衆知のことみたいで、不明を恥じますね……まったく。先生。とても。
今は「閃乱カグラ」のマーベラスAQLに買収されております。
買収額とか見る限り、なんだかあまり楽しい買収という雰囲気がしないのですが(今HPみたらマーベラスと同じビルに移転してるし)、エンタースフィアが GREEに出している「煉獄のクルセイド」はソーシャルゲームの中ではかなり早い段階で独自IP育成に取り組んでいたのが好印象でした。ラジオとかやって たし、公式で抱き枕まで作っておりましたから、もっとブイブイ言わかしてキャラクターソングぐらいは出してほしかったです。
モバマスがCD出したのだって、あれはあれですごいけど、出戻りというか予定調和ですよね。買ったけど。
■とらのあなの話、ブシモの話
Fg/エンタースフィアの話はそれぐらいにして、前回いろいろな糞プラットフォームまとめで書きました、<同人誌ショップとらのあながソーシャルゲームに参入すんのかどうなのか>という件について考えてみたいです。
(http://www.toranoana.jp/mailorder/gen/pagekit/0000/00/05/000000052630/index.html)
ソーシャルゲームに参入! といっても、パターンは現状3つ(くらい)あります。つまり、
A、新規プラットフォームを立ち上げる
B、既存プラットフォーム(GREE、mobage等)に自社ゲームを提供する
C、作家からイラスト/版権をかきあつめてゲームデベロッパーに提供する
より細かく言うとBとCの間に「リリース後の運営だけ請け負う」ってのもありますが、それはどっちかっつとPCネトゲ方面の文化ですね。たぶん。
当然ですが、A、B、Cの順にリスクとコストが高く、かつ成功時のリターンも大きくなります。
Aをやる場合、内製タイトルが何本か無ければ話にならないので、99%Bを兼ねる。ブシロードのブシモなんか典型ですね。まあ、ブシモの場合は「自社の非電源カードゲームをアプリ化したい」という点が強く作用しているというのもあるのでしょう。
そういう意味ではブシロードの場合、完全な異業種参入というわけではありませんけれども、とらのあなの場合は完全な異業種ですから、社内にソシャゲ運営スタッフを置いているわけでも無いはずで、必然的に外部委託となります。
ブシロードにしたって「コミュニティとしてのカードゲーム運営のノウハウは十分にある」とは豪語していましたが、それをポチポチの仕様に落とし込んで行くのはまた別のスキルが必要になりますから、結局どうしたって外部のデベロッパーとの恊働となるはずです。
まあ、ブシロードの場合は広告展開などを見る限り金遣いの荒い会社ですから、1000万くらい積んで既存のSAPから何人か引き抜いてるって可能性も無くはないかな……。
ただ、それでもプラットフォームの上流でプロモーションの統括とかしてるだけで手一杯の筈。さすがに個々のコンテンツを直に運用できるだけのスキルを持った人をそんなに何人も囲ってはおけないでしょう。
そんなわけなので、肩すかしですが、Cが一番現実的なのかなあと思ったり。よく問題になってる未来少年とかのパターンですね。
もともと同人ゴロのコネだけで成立しているような会社でしょうし、そこを使わんでどうするんだと。
た だその場合、イラストレーターにとっては「とらに卸すくらいなら自分で開発会社に売ったほうが割が良くね?」という話になりがちなことと、とらのあなに とっても「同人でネームバリューのあるイラストレーターやエロゲーの原画家がソーシャルゲーム市場にどの程度訴求力があるのか?」というところが懸念点。
だいたい、同人で名前が売れている人って、昔の七尾奈留とか思い出せば分かるかと思いますが、<上手/下手>とか<魅力的である/ない>とかいうのとは別の、何か呪的な付加価値を持った担保流通性が形成されることで成立するものですよね。
あ る種の信用創造のような。もちろんソーシャルのカードゲームだって、あんなデジタルデータ一枚の為になぜ課金回復薬ガブ飲みするのかといったら、そこに ユーザーが何らかの原価以上の価値を見出しているからであって、じゃあその価値とは? みたいな話になると承認欲求がどうたらとか新清士とか頭でっかちの AKB信者みたいな方向に行きますので、それは差し置きますと、まあつまりイラストレーター/作家との利害合致を考えた場合、Cもそんなに上手く行きそう にない。
するとやっぱAか!?みたいな話にループする……。結論は出ない。
余談ですけど、
「株式会社虎の穴が運営する『とらのあな』」と、
「グリー株式会社が運営する『GREE』」って似てますよね。
社名をそのままサービス名にしてるけど表記が何となく違う的なやつ。
■DMM、カラ鉄、クローディア
次回はやはり後発の中では資金力&マーケット独自性が際立つ、最近やたらと広告が出ているDMMソシャゲ(DMMオンラインゲーム)について調べたいな〜と思います。
DMMの売り上げは一説に1500万円? サイバーエージェント超えてる? ということは30億使って渋谷ジャックもワンチャン……。
実写のAVメーカーの最大派閥で、AKB利権まで持ってるわけだから、キナ臭いパワーも満載の筈。
毛色の違うところで、カラオケの鉄人を運営している会社・鉄人化計画が4月にリリース予定とか言ってるソーシャルカラオケ出会い系・オハコ(http://www.ohaco.in)にも若干注目。
鉄人化計画、ストラテジーアンドパートナーと組んで、得意のブラックロックシューター版権でMobageに出してはいるけど、あれはどこまで売れているのか。
ソシャゲ講座とか開いてるけど、そもそも自社のコンテンツが売れてるのかどうなのか、そのへん大変気になります。
当然プラットフォーム戦略まで考えてのことだろうし。
あとは国産のTwitterパクリSNS・クローディア。これもゲームプラットフォーム化しようとしててワロタ。
しかし個人的にはやはり、「ゆかし(http://yucasee.jp)」のゲームプラットフォーム化を強く望みます。
「純金融資産1億円以上の人々が集うプライベートクラブ」……きっと「1000回セットガチャ」とかが並んで物凄いARPPUが出るに違いない。