ガクショウ印象論壇

同人誌用の原稿ストックを目的として、ラノベ読んだメモなどを書きちらすブログです【ネタバレだらけ】

2013年一発目 美少女ソーシャルゲーム概況、怪しき新興プラットフォーム達

まあ概況なんて言えるほど適切な篩に掛けられる知識量かと言われればそこは。

 

■昨年後半あたりの流れから

巷 で言われておりますように、昨年はgloops、ポケラボ、エンタースフィア、インブルーなどチンイラ系イラスト満載のソーシャルゲームを作ってきた大き い会社が軒並み買収され、一気に業界の統廃合が進んだ印象でした(ってみんな言ってる)。まあ業界っていうほどの長い業界でも無いのですけれども。

今のところ独立しているgumiなんかも、外から見ているとGREEの一部なんじゃないかぐらいの雰囲気漂わせてますが、その昔、日本で最初にプラットフォームを作った会社なので、そのへんの意気を見せてほしすなあ。

 

 

さて一般に、ソーシャルゲームの場合ざっくりいうと100万人のユーザーを10万人ずつ10タイトルのアプリに流すよりも100万人全員を1タイトルにぶち込んで蠱毒っぽく争わせたほうがアプリが売り上げ総額が増すと考えられています。

ま してプラットフォームとの協業タイトルであれば手数料もより多く取れますから、プラットフォーマーは内製および1.5stパーティー的な大手デベロッパー のアプリを積極的にインプレッションさせます。GREEで言ったらgumiとかオルトプラス、コナミ、ボルテージあたり。モバゲーでいったらサイゲーム ス、gloops、クルーズ。あとバンナム

だからこのへんが「勝ち組デベロッパー」とされていて、それ以外は極端に冷遇されている印象が あります。ちょっと昔はモバゲーがデベロッパーに対して高圧的と言われていて、そのへんを糾合するために一時期GREEが弱小デベロッパーに優しい、と言 われていた時期があったのですが、コンプガチャ騒動前後からそんなことも無くなってきた感じがします。

 

 

■終了のおしらせ

ま あそんな中で確実に撤退組も出てきているのが現状で、たとえば昨年8/16にビットマークからリリースされた美少女モノのカードバトル「Flower」 が、11月3日には既にサービス終了予告を出していてびっくりしました。その間3ヶ月未満。12月12日16時をもって課金アイテム停止、2013年1月 11日16時をもってアプリ削除。って今週じゃん。

同社が10/15に出したタワーディフェンス要素のある「トリモリ」に至っては11月 12日にはサービス終了予告が出て、12月12日に課金停止、2013年1月11日15時でサービス終了。リリース→終了予告→課金停止→サービス終了ま でそれぞれ一ヶ月開いてない。これが真の爆速PDCAだ!!まあこれは極端な例で、成否二極化のアオリもありつつ同社内で運営が続けられるだけの人的・資 本的リソースが確保できない状況になったのだろうとお察しするわけなんですけれど、当時としてはわりとユニークなUIを採用していたり、「厨漢字+厨カタ カナ」系のタイトルがあふれる中に短い英単語で切り込んでいったり、そこも含めた全体的なコンセプトが面白かったりして、ガワ部分の変化球の新しい潮流作 るかも、とか密かに期待していたのですが、まったくそんなことはなく。

とはいえ胴元のアプリであっても必ずしもうまくいくとは限らず、鳴り 物入りで始まったモバゲーの「夕暮れのバルキリーズ」とかシステム的にはかなり斬新だったのですが会員50万人を抱えながら年末年始に何の要素追加も行わ なかった為、近々消滅するのではないかと思っております。「学校の星」とかもね。ガワはコミカルですごく良かったのですが。

 

 

バトルえんぴつみたいな感じじゃないかなあ

モバゲーのユーザーというのは(GREEと比較しても)、ある意味では非常に目端の効く人たちが多いです。

ヘビーゲーマーは彼らを「ゲーマーではない」と言いますが、「このゲームは盛り上がるのか」ということを彼らは誰よりも的確に見抜きます。

盛り上がるというか、「アガる」という感じなんじゃないでしょうか。

これは僕らの世代の記憶でいうと、ドラクエのバトル鉛筆のアーリーアダプターだったようなタイプでは無いかと思っています。

将来的にどうか分かりませんが、現状ソーシャルゲームの機能として、いかに「ゲームをしている気分にさせるか」ということが重要なんだと思います。バトえんと同じで。

バトえんはドラクエに比べれば明らかに劣るゲーム性しか持っていないけど、ドラクエのブランドと世界観を借景にして教室で友達にザラキを連発することができるという謎の新快楽を提供してくれるわけです(もっとも、僕はドラクエをやったことがありませんが)。

その意味で、「夕暮れのヴァルキリーズ』は「ゲームっぽさ」はあるけど「ゲームらしさ」が無いんですよね。

キッズが本当に必要としたものはバトえんなのに、変に凝ったドラクエTRPG作っちゃったみたいな。せっかくTRPGビデオゲームにしたのに、もとに戻してどうする。

あるいは、「映画みたいなゲーム」を本当に映画にして大失敗のFFとか。貴様ハリウッド版スーパーマリオブラザーズから何も学んでいないな。

レベルファイブの「レイトン教授ロワイヤル」なんかもこのタイプですね。「人狼」のエッセンスを取り入れていて非常に意欲的なゲームだったのですが、あれはなかなかアガらない。

ただ、スマートフォンネイティブアプリ化の流れが強力なので、こういう厚みのあるコンテンツを作る力はいずれ必ず生きて来ると思います。レベルファイブがんばって!

 

 

■モバゲーに18禁のゲームがあった件

そのモバゲーさんですが、モバマスの成功で「オタも意外に金落としてくれる」と気付いたのか、昨年なかばに「一騎当千バーストファイト」は何と18禁アプリとしてリリースしています(リア充の想像に反してオタは一騎当千読まないけどな)。

 

http://gamebiz.jp/?p=60553

 

びっ くりですね。尤も、内容的にはせいぜい15禁だろうという程度の服が裂けたりする程度(少なくとも無課金の範囲)なのですが、とにかくモバゲーのような最 大手プラットフォームにおいて明示的に18禁とされたアプリが運営されていることがなかなか意外じゃないでしょうか。同タイトルはゲーム開始ページに赤字 で「※年齢制限あり」と書いてあるだけですが、どうも18歳未満にはそもそもアプリへの導線自体が表示されないようです。未成年からの見え方を確認した かったのですが、手近なところに幼いアカウントが無かったので見れませんでした。非表示に関してはスレ情報です。

ちなみに年齢を詐称してア プリで遊んだ場合、発覚するとつまみ出されるようなのですが、「Mobage(Yahoo! Mobage)での登録上の年齢の詐称により遊戯不可となった場合であっても返金等の対応はいたしません」というクールな断りがあり、その昔「ふたりエッ チ」をレジに持っていけずやむなく万引きして補導された友人のことを思い出しました。個人的には一騎当千に課金するのは金ドブ感があるのでこれに課金する ならgumiとかgloopsあたりのちょっとエロっぽいカードがある三国志モノにでも課金しますが、特にレアリティの高いカードにおいて、GREE版と の絵柄のエロさに違いはあるのかどうか、そのへんは大変気になります。

年齢制限でゾーニングを導入するモバゲーと、全体を全年齢ボトムに合わせるGREEということで、非常に対照的です。

ちなみにアプリそのものは、なにげに箱庭要素があって伊達にコンシューマ開発してないなあという感じ。

 

 

■そしてエロとオタの新しい刺客

http://toaru-sipro.com/?p=2615 このあたりでもまとめられてたけど、そういえばdゲームの話って全然聞きませんね……

 

まあdゲームは置いとくとして、AV屋のDMMと出会い系のワクワクメールがソーシャルゲームをやりだしたのは大きいと思います。

18禁要素とソーシャル性ってある意味では真逆のものなので(いや、フーコー的に考えればそれこそ同じものかも知れないが、少なくとも現状の商環境として)、そこをどう止揚していくのかは大変興味深いところ。

DMM がエロいねボタンなる珍機能を導入した時は100万人単位のAV評論家集団でも作るつもりなのかと思った反面、もしこのままこの流れが大きくなるようなこ とがあればあけっぴろげにセクシュアリティについて語ることが常識であるという西海岸SF的な人間性の解放が到来するのでは?と思わないでもない。

そんなわけで、今回はサイプロじゃ扱ってもらえないような泡沫・エロ・オタ系プラットフォームをざざーっと書き留めておきます。

 

1、DMM

DMM プラットフォームリリース時はなんだかふざけたゲームしか無いように感じましたが、最近始まった「男ノ頂」は「龍が如く」や「アウトレイジ」みたいなネオ ヤクザ的世界観を見事にソーシャル化していて、一時代を築いたgumiの「任侠道」がボクたちこんなに大きくなりましたみたいな感じ。

こういうのが、毛利家が「学園」で戦国なのにいきなり「ダンジョン」があって「スライム」が出てくるような『ももせん』(ただしエロへの着地は上手い!)と一緒に並んでいる感じが日本ソーシャル百景という感じで良いです。

全年齢版のほうでは秋葉原の大手メイド喫茶のキャスト使ったカードバトル「メイコレ」とか作ってますが、盛り上がってなさそう。やはりのっけからエロを求めてきているからこんな眠いアプリやってられっかということでしょうか。

 

2、ワクワクメール(ワクプラ)

出 会い系のかなり大きいところ。出会い系の強みは、課金アイテムを女の子に貢ぐという導線が作れそうなことですね。僕が運営だったらネカマのサクラ雇って男 性客にアイテムおねだりしちゃうでござる。まあそれは冗談としても、オフで即ハメを地でいく子作り討魔道中(別名:ソードアートオンライン)が可能になる ような一連の仕組みがプラットフォームに揃っているというのは、考えようによってはかなり面白いのではないかと。つまりこう、ネトゲだったら「出会い 厨」って言われるようなプレイスタイルを運営が推奨しているわけですよ(金とられるけど)。これって広義のARだぜよ?

ただ、悲しいことに現状そこまでワクワクしそうなゲームがあまり出ていないことですね。

http://wakuplu.com

ソーシャルゲームプラットフォームはこの「ワクプラ」の側で「出会い厳禁」であり、出会い系は「ワクワクメール」ということで一応切り分けられてはいるようですね。

でもさぁ……そんなこと言っても……。

 

出 会い系といえば、『禁断のサモンドール』を提供しているアンドロックは出会い系システム開発のアイコールの子会社。アンドロック自体はけっこうまじめに面 白いアプリを紹介したりしてますが、親がその感じだとどうしても色眼鏡で見られてしまうところはあるんじゃないかと。アイコール自体がプラットフォームを 開発しているとかってことは無いのでしょうか。資金は持っていそうなので、やっていてもおかしくないのではないかと思いますが……。

 

3、FC2

次に、アダルトといえばここ!という感じのFC2。提供してるサービスが全部ゴチャゴチャしてて常によく分かんないところですが、ここもなんと「FC2ゲーム」という18禁ソーシャルゲームのプラットフォームを持っています。

http://game.fc2.com/landing/

まあ……あの……全年齢版のほうが恋姫とかあって、うん、いいですね(棒)

 

4、Pixiv

Pixivにも実は「Pixivゲーム」というのがある(らしい)のですが、こちらフィーチャーフォンのみ対応で中身どうなってるのかよく分からない。

何の話も聞かないところを見ると少なくともヒットはしていないわけで、Pixiv本体がソシャゲ絵師牧場として機能していることに鑑みるとPixivの運営は札枕で寝ている場合では無いのではないか。

http://m.pixiv.net (※ガラケーのみ)

まあ、目下スマホ対応に急ピッチで取り組んでいるのだろうとは思います。

 

5、萌。

「もえたま」と読むそうで。運営している会社は「ディスガイア」の日本一ソフトウェアの子会社的な存在。

http://moetama.jp

モ バイルではなくPCブラウザ用なんだけど、さすがにコンシューマーのデベロッパーだけあってアニメ風3Dモデルのキャラクターを育てつつ使役するという、 試み的にはかなり面白くて意欲的な感じですね。自分で育てたキャラでスターシステム的に色々なゲームが遊べるというのは楽しそう。ただ一方向に特化しすぎ てユーザーデータの汎用性が無くなりそうな諸刃の剣でもありますが、たぶんマネタイズがどうだとかいうより前に新しい遊びを提案したいんじゃないかという 風にむやみに好意的に解釈しておきます。

 

6、ニコニコアプリ

これもおそらくPCブラウザゲームオンリー。

http://app.nicovideo.jp

ブラゲでは大手だなあって感じのところが入ってたりしますが、2年くらい前のアニサマでやたら宣伝していた割にはどうも盛り上がっている感じはしない。

ニコ動にくっ付いているメリットが一切生きてなさそうな感じなのは、非同期なのに同期っぽく見せるのがすごいニコ動とガチリアルタイムなブラゲの食い合わせが悪い、ってあたりもあるんじゃないかと思うのですが、やってないので何とも。

 

7、モエゲーム

本当は元祖エロソーシャルゲームプラットフォームなんだけど最近息してなさそうで。

http://moege.jp/s/app/

と 思って久々に見に行ったら普通にアンケートとか取ってて笑った。元々はガラケー時代に未来検索ブラジル(ニワンゴ子会社)が運営してたものが、どういう経 緯かスピンアウトして独り立ちしてモエゲームに。DMMに失敗例を示す礎石的存在になっちゃったんじゃないのか感もありますが、公式Twitter見てる と中の人が健気なのでがんばってほしい。

 

8、ブシモ

期待のニューカマーですね。ブシロードのカードゲーム(紙のほう)戦略って、嫌な言い方をすると「カードゲームの出会い系化」だと思うのです。

僕が小中学生だった頃、カードゲームといえばマジック・ザ・ギャザリングとかモンコレとかで、当然プレイヤー人口の99%が男性。

デュエルスペースのある近所のゲーム屋に行くと、ああオタクだなあって感じの大学生のにーちゃん達が攻殻機動隊読みながら相手してくれるわけですよ。

もうだいたいみんな青黒の性格悪いデッキで、しかもTRPGの変な癖引きずってるから小学生相手にも敬語で打ち消し呪文使いながら「させませんよw プホォwww」とかですから。まあそれはそれで楽しくてああこういう大人になっちゃダメなんだなと思ったらなってた。

今なんか秋葉のそういう店行くと痛カワイイ感じの女子が普通にヴァンガードとかやってたりして歯ぎしりします。女の子多かったら、カッコいいとこ見せようとして強くなるよなあ。

で まあ、ブシロードの社長が常々言っているように、カードゲームというのはコミュニティ性が無ければそもそも成立しないので、そのノウハウだけ追い続けてき た同社にはかなりの地の利はあると思います。そう踏んで相当な資金をぶっ込んでいるようで(まあ同社にはキャッシュフローという概念が無さそうなのでたと え勝算無かろうとも全力投球しそうですが)、オタの客からも舐められないように全部のゲームがネイティブアプリ。さらに自社や自社に関係のある人気IPを 惜しげも無く投入していて、三森すずこも多用。ラブライブは第二のモバマスとなることは出来るのか。

http://www.bushimo.jp

ただ、あの豚の鼻のようなアイコンは何なんだとか言いたいことも色々ある。

 

 

2005 年ごろに出てきた「オタク系SNS」というのももうほとんど死んでるし、あとはエロ絵専門SNS『ニジエ』とかフィギュア専門SNS「Fg」とかは独自色 あって面白いけど、前者は個人運営らしいいし後者は現状ですらサーバーが瀕死だからソーシャルゲームはあり得ないなあ。ユーザー規模も2桁くらい違うだろ うし、そもそもユーザーセグメントとしてあまりにソシャゲに向いてなさそう。

 

最近「黒字化した」って宣言してたGMOのGゲーなんてのもありますが、こちらはプラットフォームだと思っていたらただのゲームポータル。見てると2000年ごろのベクターを思い出す……。

 

コミケットが運営してる作家向けSNSCircle.msがゲーム備えたら面白そうだけど、現状ですらあまり活用されてない感じなのでまあ、無いよな。

エロ系・オタ系だとこんな感じでしょうか。

 

ひょっとすると、同人誌ショップのとらのあなも参入考えてたり……?

http://www.toranoana.jp/mailorder/gen/pagekit/0000/00/05/000000052630/index.html

やるならがんばってほしいですが。

http://www.toranoana.jp/dojin/osirase/20121226_illust/index.html

このへんと組み合わせるとすごいものが出来そうだけど、発狂レベルに複雑すぎて運営が無理だな。

 

個人的には「ゆかし」にソシャゲ付けたらさあ、最高におもろいと思うんですよね。http://www.yucasee.jp

富裕層の課金見てみたいー!

 

 

 

 

 

■おまけ

 

女性向けだと、携帯乙ゲ最大手のボルテージが女子ゲーというのをやってますが、コンテンツ数も少なく盛り上がってなさそう。

http://pf.joshige.jp/

 

オタ女子向けサービスの「フォレスト」とかで有名なビジュアルワークスがBLに特化したゲームPFのBLobby(ビーロビー)をやっている。

http://blby.jp/

 

アリスマティックがフィーチャーフォンの自社コンテンツ「かれぺっと」をプラットフォームにしてその下にほかのコンテンツをぶら下げて運営していたのですが、最近スマートフォンに対応した模様。

http://sp.karepet.jp